歯科衛生士が愛犬のお口をまるっと解説!

犬の口の中って一体どうなっているのか、深く考えるチャンスはなかなかありませんよね。
しかし犬の歯みがきが必要だと気付いたら、知っておくといいことがいっぱい。
歯科衛生士の目線でワンちゃんのお口を、人間の口と比較しながら解説します。

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私が解説します。
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犬の歯の数って何本?

犬の歯の数は人間と比べて、どれくらいあると思いますか。
犬の歯は人間の歯の数より多いんです。
あんな小さな口に⁉と思うかもしれませんね。
なんと成犬のワンちゃんには42本もの歯が生えているんです。
人間は成人で親知らずを入れると32本で、親知らずを除くと28本です。
そう思うと犬の歯の多さに驚きますね。

犬の歯っていつ生え変わるの?

ワンちゃんの成長はとても早く、歯が生えるのは2か月頃。
生まれて4か月~6か月ごろには永久歯に生え変わっていきます。人間の生え変わりは6歳前後になります。
犬の乳歯の時期は大変短いといえますね。

犬の口臭の原因は?

犬のお口のにおいって、年齢と共に気になりますよね。
魚みたいなにおいがすると言われることが多いですが、犬の歯周病が進むとどんどん腐敗臭が強くなります。
犬は人間よりも歯周病になりやすく、ケアをしないと多くの犬が発症してしまいます。
口臭のその他の原因としては、病気のため体内からにおいがすることもあります。
いずれも口の中が乾燥していると臭いが強くなる傾向があるのはヒトも犬も同じ。
こまめに口臭ケアをしたり水分を摂らせてあげるなどするとよいでしょう。
犬の口臭に特化したサプリなども登場しています。

犬が噛む力ってどれくらい?

小型犬で100キロ、中型犬で160キロを超える咬合力があるとされます。
当然人間の数倍に及ぶ咬合力です。
しつけをされているわんちゃんと、じゃれて遊んでいてもそれなりに痛いと感じることは少なくないですよね。
人間よりも尖った歯が多い分、咬まれたときにはやはり痛みを感じてしまいます。
プラスチックの歯ブラシは咬まれるとすぐに傷になり危険なので、使用するときには咬ませずケアをすることを教えていきましょう。

犬の歯の形ってどうなってるの?

犬の歯はほとんどが尖ってみえますね。
肉を切り裂く口の構造なので、尖っている歯が多いんです。
当然磨きにくい歯の形をしているため犬の歯磨きは技術が要ります。
普段見えない奥の方にちいさな臼歯があり、磨き残しが起こりやすい部位となります。
人間と同じような歯はないので、よく見ると興味深いですよ。

犬の歯医者さんているの?

この頃、ワンちゃんの歯を専門に見てくれる獣医さんが増えています。
人間の医者さんが犬の専門になるのではなく、あくまでも獣医さんが歯科に特化して診察をしてくれています。
最近は人間の歯科医療スタッフとの連携が増えてきており、歯科医師や歯科衛生士が獣医さんや動物看護士と多職種連携を組むなど、今後期待される分野です。

犬の口の中の病気ってあるの?

犬も人間と同じように口腔のがんや、皮下の良性腫瘍などがあります。
また歯周病は立派な病気で、全身疾患との兼ね合いは強く指摘されていて犬の場合は心疾患と深いつながりがあります。
虫歯は発生確率は少ないのですが、歯の炎症を引き起こしやすい環境になっているので充分に気をつけたいものです。
少しの傷が年齢を重ねると、大きな炎症につながったり、ひどい場合は歯周病菌が皮膚の外へ穴をあけてしまったりすることもあります。
小さなお口ですが、定期的なチェックはした方がよいですね。

犬の舌の長さってどれくらい?

犬の舌は暑いときに体温調節をするほか、たくさんの働きがあります。
詳しくはこちら→犬の舌ってどうなってるの?

犬の舌の長さはギネス記録に認定されていて、その数値はなんと18センチ!
人間は平均で7センチほどと言われています。
確かに大型犬のお口は当然大きくなりますし、その舌の長さも人間は犬にかなわないのですね。

まとめ

とても小さなお口ではありますが、愛犬の口ってとても不思議がいっぱい。
知識を得ると大切にしてあげたいなと思いませんか。
口は人間の業界では健口なんて言って、健康は口からと言っています。
犬も例外ではなく、口の中の環境が全身の健康をつかさどっていると言っても過言ではありません。
お口に住む細菌が犬の健康を左右するというわけです。

犬の歯や舌、その働きをよく理解して、正しい歯みがきをして健康を守ってあげたいですね。

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僕らのお口のこと、少しわかった?
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