かわいい家族の一員である愛犬が近づいてくると、口から魚みたいなにおいがすると訴える飼い主さんが少なくありません。
このように愛犬の口臭に悩んだり、お口を見ると歯石がついていることに気づいたりして、歯磨きを頑張りたいと思う方が増えています。
犬の歯磨きの方法にはどんなものがあるのでしょうか。
目次
犬の歯みがきは必要なの?
そもそも、自然の中で暮らしていた犬に歯みがきは必要なのでしょうか。
犬に歯磨きなんて今まで聞いたこともない、という人もいるかもしれません。
結論から言えば犬にも歯みがきは必要です。
なぜ今、犬の歯磨きが必要だと言われているのでしょうか。
それにはまず食や健康に対して管理された犬の寿命が延び、また動物医療が進んできて分かったことが増えているからです。
犬の健康に対する知識も少しずつ広まり、その予防法も確立されてきているのです。
そのため人間でも注目されている口腔内の細菌が、犬の健康にも大きく影響していることがわかっています。
実際に口腔内細菌が人間と犬との間でやり取りされていることも確認されています。
犬の歯磨きの重要性・その理由
犬は自分で歯磨きができません。
現在飼育されている多くの犬のご飯は、自然界にはない人工的な食形態になっています。
歯に詰まりやすいドライフードを与えられているケースが一番多いので、飼い主が口腔ケアという方法でお口のお手入れを助けてあげることが必要になっているわけです。
人間と同じように、口腔内の環境が全身の疾病と大きな関係があることがわかってきています。
歯についた食べかすや、細菌の塊は犬の特殊な口腔内でわずか3日で歯石に変化してしまいます。
また付着した細菌の塊から出続ける毒素の影響で歯ぐきが歯周病になります。
歯周病菌の混ざった唾液を飲むことで、慢性疾患へと変化していくリスクは人間と全く同じです。
愛犬の口腔ケアをすることで全身疾患を防いであげられるのです。
歯磨きは飼い主さんができる毎日のお手入れとして認識する必要があるのだといえますね。
それはトリミングや爪切りなどと同じようにワンちゃんにとって、必要なケアだということです。
犬の歯磨きはこうした背景から大変重要だと言われてきています。
犬の歯磨きの方法は?
人間も歯科医院でブラッシング指導を受けますが、犬の場合は歯みがきの方法を飼い主さんが理解する必要があります。
犬の歯磨きにはどんな方法があるのでしょうか。
歯磨きと言えば歯ブラシを使った方法を思い浮かべると思います。
しかし実のところ歯ブラシを使った歯磨きができているワンちゃんは3割以下だというデータがあります。
言葉の通じない犬は一朝一夕で歯磨きを受け入れて慣れていくわけではなさそうですね。
一般には歯みがきガムとか歯みがきシートなどといった名称でさまざまなグッズが販売されています。
それで済ましてしまっている飼い主さんが多いのも現状です。
実際歯磨きという名前がついてはいても、シートやガムではお口のお掃除に大きな効果は望めません。
魅力的なケアグッズにみえても実際は、気休め程度のものも多く混じっています。
やはり犬の歯磨きは、歯ブラシを使う方法が一番おすすめです。
汚れが落ちるという点で歯ブラシに勝るものはありません。
犬の歯磨きに必要なアイテム
犬の歯磨きにはどんなアイテムが必要なのでしょうか。
正しいケア方法やグッズについても、飼い主の責任としてしっかりと選べるようにしたいものです。
歯ブラシでの歯磨きが最も効果が高いことはすでに説明しました。
ほかにはタオルやロープをかんだり、おもちゃをうまく犬の歯磨きに代用する方法もあります。
歯磨きと言えば歯磨き粉が次いで思い浮かぶのではないでしょうか。
ワンちゃんの場合はうがいができませんので、泡の出る人間用の歯磨き粉は使えません。
そのためうがいをしないで済むようなジェルタイプの歯磨き粉や、ペーストなどがあります。
人間用の歯磨き粉のようにお口の汚れを分解して取るという、薬効成分の働きもあまり期待できません。
歯磨き粉はワンちゃんがブラッシングを嫌がらないよう嗜好性を高めた工夫がされています。
ほかに汚れを取る働きをするものとして、歯みがきシートや歯ブラシ、ブラシの付いた指サックなどがあります。
歯みがきガムのような、牛皮などをベースにしたおやつもあります。
ほかにも歯垢や歯石を取るといったような効果をうたったパウダーや液体などを水や餌に振りかけるものもあります。
効果のほどは歯ブラシでの歯みがき効果に勝るものはないと言えるでしょう。
これらは名前のわりに歯垢除去率はそう高くなく、気休めになってしまっているのが現状です。
犬の歯磨きの注意すべき点
犬の歯磨きについて注意すべき点にはどんなことがあるでしょうか。
まずは飼い主さんが一生懸命になりすぎないことです。
歯ブラシをって追い掛け回したりしないで、長いスパンで少しずつできることを増やしていくのが大切です。
例えば犬の歯磨き初心者であれば
- 1.まずはマズルを触れるようになったら、次は唇をめくってみる。
- 2.口に手を入れてみる。
- 3.さらにシート磨きを始めてみる。
- 4.歯ブラシで磨けるようにする。
といったように段階的にできることを時間をかけて増やしていきます。
これを間違えて、いきなり歯ブラシでごしごし磨こうとしてはいけません。
無理やり歯磨きを強要されれば、犬は歯ブラシを見ただけで嫌なイメージを抱くようになります。
ひどいときには攻撃をしようとしたり、歯ブラシを持った時には二度と口を開けてくれなくなったりすることも起きてしまいます。
犬には歯みがきの大切さを伝えようとしても理解はできませんね。
まずは歯磨きは飼い主との楽しい時間なんだというイメージを持ってもらえるようにするのが大切です。
犬の生態や口について理解している獣医や専門家に相談するのも正しい歯みがきへの近道だと言えるでしょう。
注意
★口腔ケアについてや、犬の生態についても学んでいきましょう。
犬が嫌がらないよう無理やり歯磨きをしたりしてはいけません。
トレーニングをしながら口腔内を管理していく方法がお勧めです。
まとめ
最終的に目指す歯磨きの理想的な方法として挙げられるのは、歯ブラシを用いた方法です。
愛犬の健康寿命を延ばすために、いまや歯磨きは必要なケアの一つになったということです。
ただし、犬の歯磨きはしなくてはいけないこと、と義務にしてはいけません。
楽しいコミュニケーションのひとつとして、習慣にして取り入れていくとよさそうです。
そのためには生涯変化していく健康を表す場所であるお口のケアを、専門家のアドバイスやトレーニング方法を参考にしながら習慣にしていきたいですね。