犬の歯磨きといっても、犬の歯を磨くのって案外難しいですよね。
歯の数だけを見ても人間の口の中にある歯は28~32本。
それに比べ、犬は小さなお口に42本もの歯が生えているんです。
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知ってた?
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私たち人間ですら、鏡を見たり歯科医院で指導をうけても磨きにくい部分がありますね。
犬の歯や口の特徴をしっかり理解して、愛犬の歯磨きをマスターしましょう。
[memo title=”この記事はこんな飼い主さんにおすすめ”]
・犬の歯がうまく磨けない飼い主さん
・犬の歯をもっと細かく磨きたい方
・犬の口の特徴を知りたい方
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目次
犬の口と歯の特徴を理解しよう
口の特徴
犬の口はマズルと言われる場所があります。
目から鼻までの間の部分のことですね。
このマズルが長い犬ほど、歯の並びはUの字型が深くなっています。
深いUの字型の犬ほどまっすぐな歯ブラシを入れやすいメリットがあります。
短鼻犬たちは人間に近い馬蹄形(Cの字型)に歯が生えている特徴があります。
また、眠っている時間が多い犬の口はとても乾きやすいです。
人間と違い、わずか3日で歯石が出来るという特徴があります。
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たった3日しか猶予がないんです!
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歯の特徴
1歳になる前に大人の歯に生え変わります。
犬の歯は虫歯になりにくいという特徴があります。
しかしその反面、歯周病になりやすいという特徴もあります。
人間の歯のエナメル質の厚みは3㎜弱です。
それに比べて犬の歯のエナメル質は0.5㎜弱と大変薄いんです。
間違って選んだ硬い歯ブラシでの歯磨きは大きな傷をつけてしまいます。
また過剰に歯石取りを繰り返すのはエナメル質を毎度削り落とすことになり大変危険です。
食事の摂り方の特徴
食事の摂り方に着目してみましょう。
犬はもともと肉食動物ですね。
獲物に取られないよう早食いをするのは想像に難くないと思います。
その名残から、噛んで味をゆっくり感じるという口の働きはないに等しいです。
人間や、草食動物のようにのんびりと咀嚼をしたり、すりつぶす働きはほとんどないのですね。
歯の形の特徴
口の中には肉を切り裂き、飲み込むのに適した尖った形の歯が多くそろっています。
また歯の高さがとても低く、上下がかみ合わない部分もあります。
ここは獲物をくわえて運ぶのに最適な場所。
仔犬を母犬がくわえて運んでいるのを見たことがありませんか。
くわえたものを傷つけないようにする、こんな空間があるのも面白いところです。
部位別解説!犬の奥歯の磨きかたは?
奥歯の特徴
犬の奥歯は人間のような臼状の数本の小さな歯と凹凸の多く尖った形の歯があります。
特徴としては獲物を切り裂く裂肉歯という変わった形の歯が生えています。
凹凸が多いので大変磨きづらく、歯石が付きやすい歯でもあります。
この周辺から歯周病が進行しているケースがかなり多いです。
奥歯の磨き方
歯の溝に汚れを押し込めないように、上下に歯ブラシを動かすのは犬の奥歯のお勧めの磨き方です。
頬の肉を膨らませるように歯ブラシを滑らして口の中に入れます。
案外奥が深く、ここは人間のように舌で触ることなど犬はしない場所です。
細菌がずっと押し込まれてたまっている場所ですので、奥から手前に磨いてくるといいでしょう。
歯ブラシの毛先が歯ぐきのそばにやさしく当たるようみがきます。
唇をめくりあげるようにすると、歯の形がよく見えて歯ブラシを動かしやすいですよ。
部位別解説!犬の前歯の磨きかたは?
前歯の特徴
犬の前歯は大変小さく、お米のような短い歯が並んでいます。
人間でいう、すきっ歯のように一本ずつ孤立して生えていることが多いです。
そのため汚れはつきにくい特徴があります。
短鼻種や多く交配されてきた顎の小さな種のワンちゃんでは歯並びがかなり乱れていることが見てすぐにわかる部位でもあります。
前歯の磨き方
大きな歯ブラシでゴシゴシ磨こうとするとほどんどが歯ぐきにあたってしまいます。
そうすると人間と同じ非常に敏感な身体の中心線、「正中」に不快な摩擦を与えてしまいます。
痛みを与えたり、不快感が続くとデリケートな口元を飼い主に任せることをいやがるようになってしまいます。
愛犬がよく歯磨きしていたのに、急に嫌がるようになることがあります。
その原因の一つにはこのような場所での歯ぐきへの刺激があるかもしれません。
ですので、慣れないうちは前歯は奥歯よりも短時間でさらっと仕上げるようにしてもいいでしょう。
ちいさめの歯ブラシを使って訓練していくのもいいですね。
部位別解説!犬の歯の裏側の磨きかたは?
歯の裏側の特徴
よく動くお口の特徴として、舌や頬の摩擦があるところは汚れは残りにくいものです。
また頬側と舌側で汚れの付着割合は8:2と言われています。
犬の場合は人間と違って歯の裏側よりも頬側の歯石がとても目立ちます。
筋肉も発達しているので裏側の汚れは付着しにくいと言っていいと思います。
裏側の磨き方
裏側に付着するプラークや歯石の量が少ないというデータがあります。
そのため慌てて舌を傷つけたり、無理やり押し込みながら歯磨きを強制しないよう気を付けましょう。
愛犬が慣れるのを待って、上あご側から始めてもいいと思います。
人間でも同じですが、上あごを触ると少しくすぐったいような感覚があります。
犬も慣れない歯磨きに加え、普段触ることなどない場所なので丁寧に慣らしていくようにします。
上あご側に関しては口を開けてくれれば結構磨きやすいところです。
優しく声掛けをして、ご褒美をうまく使っていくと結構簡単に磨けるようになりますよ。
まとめ
犬の口を部位別に見ていくと、人間よりも複雑な構造をしていることがわかりますね。
まずじっくりと時間をかける覚悟をもって取り組みましょう。
犬の大きさや種類によっても歯並びや、特徴が大きく違います。
うちの子のお口に合った歯ブラシを選ぶことも大切です。
うまくできない!とすぐにあきらめずに獣医師や歯科衛生士に気軽に相談してください。